晩ごはんの問題。
双子が来る飲み屋がある。
母親に連れられた双子を見かけることはあるけど、彼らは二人で食事をしに来るのだ。
家に帰ってもひとりきりなのだ。
賑やかなところで、メシを食いたいという。
大阪のとある店だ。
ふたりとも独身で、たまに彼女を連れてくる。
すると、カウンターに4人並んで飲むことになる。
不思議な光景である。
同じおかずをつつきながら、ビールを飲む双子を見ていると、
なんだか夢を見ているようだ。
この店のママは優しい。
他店で出禁になっても、ここは入れてくれる。
出禁な人たち最後の砦だった。
5人いたら、3人ムショ帰りだったりする。
たまに、喧嘩があってパトカーが来ることもある。
「え、きみダイコウなん?」
「そうやで、あんたもか」
「なにしてたん」
「スイジや」
「エリートやんけ」
などと言う会話を、僕は飲みながら聞いている。
僕的に「ダイコウ」と言えば『大阪工業大学』である。
理系だったんだ。とか思っていたら、
『大阪拘置所』で炊事をしていたということだった。
炊事は、エリートがするらしい。
「えーちゃん見ぃひんな」
「帰ったみたいやで」
「顔を出すのは来年かなぁ」
もちろん、えーちゃんはムショに帰っている。
すごい客層なのだ。
あ、双子は普通のちゃんとした方です。
ママの作るおばんざい料理は、適当だけど旨い。
ご飯だって、炊きたてである。
この店のことは、小説にでも書いてみたい。
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