東北

「寒い地域のメシは旨い」

と、思っています。

寒いと、じっくり食材を煮込んで暖まれるからではないでしょうか。料理をすると暖がとれて、美味しいものができる、一石二鳥です。

熱帯の料理は、簡単にさっと包んで食べたり、時間をかけずに作るモノが多いように思っています。

ベトナムの春巻きとか、さっと炒める沖縄のチャンプル料理とか。

 

東北は、特A受賞の米も13種類、17地区です。なんと!!

どんだけ米作りが好きなの、東北の人たち!

さて、どれをいただきましょうか。

 

【2019年 東北の特A受賞米】 👑

 

コシヒカリ  福島(会津、浜通り)

つや姫    山形(最上 村山) 宮城

雪若丸    山形(最上 村山)

サアニシキ  宮城

ひとめぼれ  宮城 福島(会津 中通) 岩手(県南) 秋田(中央)

銀河のしずく 岩手(県中)

ゆめおばこ  秋田(県南)

あきたこまち 秋田(県南)

青天の霹靂  青森(津軽)

特A受賞(参考品種)

 

里山のつぶ  福島

 


福島

「福島の新米、いやー、はー、なんだって旨いごと、旨いごと」
ひとめぼれ9月中旬。コシヒカリ9月下旬。

福島では、すべての米袋を検査してから出荷している。
約1千万袋というからスゴイ。
一袋5秒で検査できるらしいが、大変な作業だろう。
2011年3月11日に起こった原発事故の影響は、いまだに大きい。

福島県は、奥羽山脈と阿武隈高地によって、会津、中通りと浜通りの3つの地域に分かれている。
コシヒカリは、会津と浜通り、ひとめぼれは、会津と中通りが、特Aを受賞している。
福島人は、米作りが上手い。

福島産の米を積極的に避けている人は、県内にもいる。
それでも「特に気にしていない」と、答える人が増えてきた。
全量全袋検査が、効いてきているのかもしれないし、記憶も薄れてきている。
とはいえ、福島産の米が市場にあまり出回っていないため、実質、県外の人が買う
選択肢が、ほぼ、ない。

外食など業務用で、使われているという。

「会津の人は、会津の米が一番だと思っているんだ。僕も、友だちの農家さんから分けてもらっているよ。うまいんだよ」と、会津の友人は言う。
旅行などで「他県の米を食べると不味い」とも。
地元の米は、いくらでも食べられるのにと胸を張る。

かつて、福島県にはいくつかの藩があり、なかでも会津藩は28万石という大藩だった(1863年、薩英戦争があった幕末の調査)。
江戸時代、20万石を超える藩は少なかった。20藩くらいだ。
会津は福島県だが、会津県と名乗っても不思議ではないと思う。
会津独自の文化もある。
原発事故は、山向こうにある藩だと言いたいかもしれない。

会津は、他県にとっては福島というくくりになる。
「フクシマとカタカナで書かれると、もう、米は売れない」
と、会津の人は残念がる。

実は、魚沼産コシヒカリで有名な魚沼は、会津に隣接している。
つまり、会津産コシヒカリは、ほぼ、魚沼産コシヒカリと同じである。
どちらも、同じ山間部で収穫される特A受賞米だ。

これは、
豊予海峡で穫れるサバが、大分だと高級魚『関サバ』と呼ばれ、四国側で水揚げされたサバは、半額以下で取引されるのに似ている。
同じ海域で穫れる、同じサバである。
僕たちは、イメージで価値を判断し本質を見誤る。
フクシマは、会津の農産物にとって逆ブランドになっている。

魚沼産コシヒカリをいつも食べてるひとたちが「他県の米が不味い」と言うのは、
『美味しい米の基準』が高すぎるからだろう。
会津の米が一番旨い。は、単なる国自慢ではないと思っている。

ひとめぼれは、9月中旬。

 

文:紙本櫻士

米前線をめぐる冒険!!
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宮城

「宮城の新米は、うんとうめぇのっしゃ、あがいぃんよ」
ひとめぼれ、ササニシキ9月下旬。

宮城の米と言えば、僕的にはササニシキである。

平成生まれの人たちには、馴染みがないかもしれないけど。

 

かつて、
「東の横綱ササニシキ、西の横綱コシヒカリ」と呼ばれ、全国でトップを争っていた米である。
コシヒカリは、粘り腰が持ち味。
サラッとした持ち味なら、ササニシキだ。
口の中で絶妙にほぐれる食感が握り寿司に最適で、
「でやんでぃ、シャリならササニシキだよ」

と、こだわる寿司屋は多いのだ。

ササニシキは、宮城県古川農業試験場で生まれた米だ。
誕生した昭和28(1953)年は、戦後の食糧難の時代である。腹をすかせた僕たちは、とにかく沢山米が欲しかった。味なんか二の次、食えたらいい。そんな時代だ。
その後、量より質に変わっていく。
次第に米あまりが問題になる時代に移り変わるのと、同時に。

ササニシキは、日本食の刺し身など冷たい料理に合う。
「そろそろ、お食事でもいかがどすか?」
などと、締めでサラッとお茶漬けならササニシキがいい。

余談だけど、

僕が予備校に通っていた時、実家が仙台で呉服屋をやっているという吉田くんが友だちだった。
彼は二浪目で、早稲田文学部志望だ。
しかし、吉田くんは勉強よりも、評論や小説などを書いたり、読書ばかりしている。
勉強をしているところを、僕は見たことがなかった。
当然、早稲田に落ち、吉田くんは三浪目に突入した。


落ちた春休みに
「暇ができたから、地中海でも回ってくるよ」と、吉田くんは言う。
「豪勢だね。親は、何もいわないの?」
「僕は、朝起きたら散歩をして、昼から読書や書物、夜は一杯飲んで、一生暮らしたいと思っているんだ」
僕は、なんと答えていいか分からなかった。そりゃそーかもしれないけど。
「僕の父も、おじいちゃんもそうして暮らしてきたんだ」
吉田くんは、呉服屋の若旦那だった。
昔から続く老舗だという。

「若旦那、今日も吉原かい?」
「ちょっと、馴染みができてね」
などと、落語の世界に生きているような男だった。
彼に会うと、新選組を作った清河八郎を、僕は思い出していた。
清河は、こんな人だったんじゃないかと…。

彼は青山学院大学に進み「どうも僕には合わない」と中退し、
今はなき、早稲田の第二文学部に通い始める。
早稲田には8年在籍していたけど中退、その後仙台で呉服屋を継いだらしい。
いまも、本に埋もれて暮れしているのだろうか。
仙台には、江戸時代から続く豊かな世界が残ってるのかもしれない。
吉田くんを見て、そんな風に思った。

さて、
「ササニシキが育てられたら、農家として一人前」と、言われている。
ササニシキが衰退した理由のひとつに冷害がある。

でも「作るのが難しい」というのが大きいらしい(実は)。
現在、宮城で人気のひとめぼれは、栽培しやすいのだ。

ひとめぼれは、コシヒカリのような粘りが自慢だ。
「粘る米は苦手」という人たちも、当初は多かった。
その後、ひとめぼれは「なかなかいい持ち味してるよ」と、東北では1位、2位を争う品種になった。

確かに旨い米である。

今でもササニシキにこだわる農家は、宮城にいる。
「ネタの味を引き出すのは、ササニシキじゃなきゃいけねぇ」
と、やはりこだわる頑固な寿司職人がいるからだ。
コシヒカリもいいけど、ササニシキも食べてみたい。

ひとめぼれ、ササニシキは、9月下旬。

 

文:紙本櫻士

『起業でごはん!!』

 

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山形

「こいず新米うんまいがら、食べてみでけろっちゃ」
はえぬき9月中旬。コシヒカリ、つや姫10月上旬。

かつてはコシヒカリが作つけ1位だったが、いまは、はえぬきが6割を占めている。
コシヒカリも、かつて特Aに選ばれた米である。
2019年は、雪若丸とつや姫が特Aに選ばれた。
昼夜の寒暖差が大きく、水が美味しい山形は米作りに向いているのだ。

山形でも、山間部の米がいい。
最上と村山の米が、特Aに選ばれているのも頷ける。
最上、村山に泊まって、旨い米を堪能する旅行などあったら行きたいくらい。

山形の気質について語りたい。
山形の酒田出身のクラスメートが大学にいた。
伊藤くんとは、よく、麻雀をした。
麻雀は4人でやるゲームである。
麻雀をしたことがある人は分かるけど、あとひとりメンツがそろわなくて困ることがある。
3人でもできるけど、やはり4人欲しい。

ある時、伊藤くんの友だちと麻雀をしたことがあった。
メンツが足らなくて、僕が呼ばれたのだ。
伊藤くん以外は、初対面だった。

数日後、
「友だちに『なんで知らないヤツを連れてきたんだ』と、怒られてさぁ」
と、伊藤くんが打ち明けてくれた。
これには、僕は驚いた。
結構、和気あいあいとゲームをしたからである。
どうやら彼らは、初めての人が苦手らしいと分かった。

平田くんという友人が大阪にいる。
当時、彼は関西大学に通っていた。
彼も、また麻雀仲間である。
ある時、ひとりメンツが足りないことがあった。
すると平田くんは、関西大学の校門前で適当に声をかけた。
「マージャンやらへんか?」
知らない学生に、である。
「いまは、忙しいから」と学生が答えると、
「友だちなくすで」と、平田くんは言う。
そいつ、友だちちゃうやろ! と、ツッコみたくなる。

こんなこともあった。
平田くんが、自転車で二人乗りをしていた時のことだ。
警察官を見つけたので、平田くんはぱっと飛び降りる。
「いま、二人乗りしてたやろ」と、警官が平田くんに質問する。
「いえ、乗ってませんよ」と、平田くんが答える。
「乗ってたよなぁ」と、前で自転車を漕いでいた友だちに質問をする。
「すみません」と、彼が警官にあやまった。
「前がゲロしてるやないか?」
「実は、乗ってました」と、j平田くんがオチをつける。
独特の文化が大阪にはある。
もちろん、平田くんは変なやつだけど…。

関西系が苦手という東北の人の声をたまに聞く。
平田くんに、東北人のオキテなど分からないだろう。

山形は、内陸部の人は真面目で堅実。口数も少なめで服装も地味だそうだ。
酒田は、大らかで気さくだという。
気さくな酒田でも、初対面は苦手だった。僕の体験上だけどね。

山形の人は、粘り強くまじめにコツコツと仕事をこなし、従順だそうだ。
気候の厳しさが、そんな気質を育てるのかもしれない。
米作りは、大変である。
旨い米ならなおさらだ。
山形の米が旨い理由は、気候もあるが気質が大きいのではないか。
平田くんにはできない芸当なのだ。たぶん。

はえぬきは、9月中旬。

 

文:紙本櫻士

『起業でごはん!!』

 

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岩手

「岩手の新米、めぇじゃぁ! くってぇ!」
ひとめぼれ、あきたこまち、銀河のしづく9月下旬。

岩手の作付け1位は、ひとめぼれだ。
2位は、あきたこまちである。

ひとめぼれは宮城の米、あきたこまちは秋田である。
「他県の米を作ってんだね」
と、言われると「くやしい」と、岩手の人たちは密かに思っている(らしい)。

 

ちなみに、
コシヒカリは、福井が開発した米だ。
ところが有名なのは『魚沼産コシヒカリ』だったりする。
「コシヒカリ」は、新潟の米というイメージが強いのだ。
福井の人たちは
「うちで作った米なのに」と、やはり悔しい思いをしているという。

どうやら米はイメージも重要のようだ。

魚沼産コシヒカリに隣接している会津コシヒカリは、
ほぼ同じ地域なのに、フクシマと書いただけでイメージが下がる。
福島のエッセイで書いたけど、僕たちはイメージに左右されて生きている。

ネットの世界では、自分で選ぶができると僕は思っている。

広告でイメージを作るテレビや新聞とは違い、能動的に選ぶことが可能だからだ。

2019年、岩手が開発した『銀河のしづく』が特Aを受賞した。
稲丈が低く倒れにくい、冷害やいもち病にも強いという。
暑さに強いではなく、冷害に強いが東北らしい性格の米である。
粒のそろった透明感のある白さが自慢の米だ。
食感もいい。

キラキラと光る星空から、お米一粒一粒の輝きをイメージしたネーミングだそうだ。
銀河と聞いて、僕は宮沢賢治を思い出した。
『銀河鉄道の夜』の銀河だし、間接的に岩手のイメージもついてくる。
賢治は、故郷の岩手を『イーハトーブ』と名付けているからだ。
イーハトーブとは、理想郷というくらいの意味ですね。

『銀河のしづく』に文学的な香りがするのは、宮沢賢治の影響もあるのだ。

余談だけど、
盛岡に大学時代のクラスメートがいる。
取材で盛岡に行った時、久しぶりに会った。
「いい店があるんだよ」と、彼女が案内してくれたのは秋田郷土料理の店だった。
旨くていい店だが、僕は盛岡の「美味しい」を食べたかった。

あmた、函館の友だちは「いい店があるんだ」と、鹿児島地鶏の店に連れて行ってくれた。
沖縄の宮古島では(大阪から来た)僕に、大阪十三の味が売りのお好み焼き屋さんだった。

ことによると、みんな地元の食べ物に飽きているのかもしれない。
でも、旅人は地元の美味しいに触れたいのだ。
盛岡なら、あえて椀子そばとか?
地元の人が、ワンコそばを日常的に食べてるとは思えないけど…。

銀河のしづくは、岩手を代表する米としてはこれからだと思う。
現在、知る人ぞ知る米ではないだろうか。

とへいえ岩手に行ったら、地元の米を食べるのは嬉しい。

銀河のしづくには、けっぱって欲しい。


さて、
宮沢賢治のイーハトーブには、旨い米が隠れていそうに思っている。
岩手の米の謎をめぐる冒険がしたいなぁ。

銀河のしづくは、9月下旬。

 

 

文:紙本櫻士
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※写真は、岩手のイーハトーブの風景。

 

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秋田

「新米うめどー、まず、け!!」
あきたこまち9月下旬。

県の80パーセント以上を、あきたこまちが占めている。
もっちりとした食感で、バランスがとれた味わいが自慢である。
他の米より水分が多いのが、もちっとした食感を作っているのだ。
ご飯だけで、何杯もいける。

あきたこまちは、そんな米だ。

開発されたのは、1984年である。
当時、東の『ササニシキ』西の『コシヒカリ』二代巨頭の時代で、
旨い米は、この二択だった。


減反政策が始まったのもこの頃だ。
次第に、米が量より質に変わっていく。
『あきたこまち』が、ご飯だけで何杯もいけるのは、このためだろう。
味がいいのだ。

あきこまちは、小野小町からきている。
他に、『ゆめおぼこ』『めんこいな』『淡雪こまち』など、秋田は、秋田美人にちなんだ米が多いように思う。

あきたこまちのCMは、こんな感じ。

2019年、特Aに選ばれたのは『あきたこまち』と『ゆめおぼこ』である。
ササニシキとコシヒカリの時代は、終わって久しい。
「量から質の時代へ」は、まだ続くトレンドだろう。
米の多様化が、いまも進んでいる。

ゆめおぼこは、そんな渦中の米だと思う。
開発されたのは、2008年と新しい。
土作りと水の管理に工夫がいると言うから、手間がかかる米だ。
さっぱりとした程よい余韻が楽しめ、和食に合うという。
さっぱりササニシキ系を目指したのかもしれない。

ゆめおぼこは、奥羽山脈の雪解け水が伏流水となって湧く、扇状地の美郷町で栽培されている。
町の花はラベンダーで、北海道の美瑛を彷彿させる北の町である。
冬は、積雪が2メートルを超すという。
よい水が、よい米を育てているのだ。

余談だけど、
秋田に友だちがいる。
学生時代のクラスメートで、彼は卒業すると秋田に帰ったのだ。
用があり、彼ん家に電話をしたことがある。
電話に出たのは、彼のバァちゃんだった。
5、6分話して「どうやら、伊藤くんはいないらしい」と、分かった。
バァちゃんの話す方言が、僕には(よく)分からないのだった。

伊藤くんも、基本、秋田弁で話す。
「原宿さ、いぐから」
「寝ねば」
「東京は、ひどが多ぐで疲れる」
彼の微妙に濁音を入れて話す声を今でも覚えている。
イケメンだった彼は「見かけ都会人」と、呼ばれていた。
「秋田は住みやすい街だがら」と言い残し、伊藤くんは帰郷した。
もう、ずいぶん会ってない。

米の多様化が進んでいる。
ネットの出現で、多様化はさらに進むだろう。
僕は、米前線で好きな時に好きな米を自由に選べる場をネットに作りたい。
賛同してくれる人も集めたい。

伊藤くんはFacebookとかやっているのかな。

 

文:紙本櫻士

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青森

「この新米、たげ、め! もっと、け!」
晴天の霹靂9月中旬。つがるロマン、まっしぐら9月下旬。

北欧の白夜とはいかないけど、青森では5月から10月までの日照時間が長い。
東京より、20パーセントも太陽が長く出ているのだ。

東北でも、昼が一番長い。

青森で良質の米が穫れるのは、日照時間の長さが大きいという。
もちろん、昼夜の寒暖差、いい水、土壌など、いろいろとあるけど。

2019年、注目を集めているのが『晴天の霹靂』である。

特Aを受賞したのだ。
ネーミングに、青森の青と、霹靂は「稲妻」であるから稲に寄り添うという意味があるらしい。
名づけたのは、青森県知事の三村さんである。
名前も印象に特徴的だし「旨い」という口コミで、大人気だ。
僕は、まだ食べたことがないけど、今年は手に入れたい米のひとつである。

晴天の霹靂弁当なるものもあるらしい。

名前に、インパクトあるよね。弁当にコメの名前を使うくらい。

2016年からだけど、『晴天の霹靂』を人工衛星で管理し始めているという。
TBSのテレビドラマ『下町ロケット』(主演:阿部寛)では、トラクターの自動運転に注目が集まった。

人工衛星を使って無人で農作業をするシステムである。

晴天の霹靂では、人工衛星で撮影した『水田の画像』を利用している。
旨い米ができる収穫時期が、宇宙から分かるのだ。
8月に緑色だった稲が、次第に黄金色に変わっていく。
通常、農家さんが田んぼの具合を見て
「そろそろだな」と、稲刈りの日を決める。

人工衛星では、宇宙から見た稲の色と、晴天の霹靂が必要とする収穫積算温度900度をアメダスの気温データを使って予測する。
農家さんは、スマートフォンやPCを見ると、自分の田んぼが何月何日に収穫すると「一番旨いか」が分かる。
旨い刈り取り時期は、11日間だそうだ。
それをスマートフォンが教えてくれる。

宇宙から、最適な土壌も分かるらしい。

トラクターの自動運転と、田んぼの発育情報などを考えると、ホリエモンがやっている人工衛星を使った宇宙ビジネスは、案外、宝の山なのかもしれない。

余談だけど、
恐山に行ったことがある。
大阪から根室まで往復4000キロの旅をした時に、寄ったのだ。
クルマを運転していると、車窓からは荒涼とした景色が続き、時々、『恐山』とか『仏ヶ浦』などと、ブルーに白文字の道路標識がある。

恐山周辺の地名は、結構オドロオドロしいのだ。

恐山の霊場では、まず『合掌霊場アイス』を食べた。
アイスまで、オドロオドロしている。
山を登っていくと、無料の温泉があった。
「男」「女」と、入り口に書かれている、細長い掘っ立て小屋である。

扉を開けて入ってみると、誰もいない。
窓が空いているから、まず、閉めた。観光客から見えるからね。
湯船には、真っ白なお湯が満たされている。

硫黄の匂いが鼻を突いた。
それでも汗をかいていた僕は、まず、顔を洗い、頭も洗った。
で、お湯に浸かった。

普通そうするよね。

湯から出て着替える時、注意書きがあった。
「窓は開けてください。湯で頭や顔を洗わない。危険なので長く浸からない」

たぶん、そんな注意書きだった。間違っていたらごめんなさい。
でもそれ、全部やってしまっている。
思えば、温泉硫黄成分の塊のようなキツイお湯であった。


気を取りなおし温泉小屋を出て

「イタコはいるのかな?」
と探してみると、平日はイタコは休みとある。

いるんだね、本当に。

なので、ジョンレノンを呼ぶのは諦める。

青森は、荒涼としたイメージで寒くて稲が育たないと、僕は(勝手に)思っていた。
ところが、夏の日照時間が長く過ごしやすい。

昼は真夏で、夜は涼しいのだ。
本州だと山間部でよい米ができるけど、青森はどこでも旨い米ができそうである。
広大な平野で米を作るから、人工衛星からの管理という発想もでてくるのだろう。

秀逸な田んぼが、青森に沢山ありそうだ。
青森の田んぼをめぐる冒険がしたいなぁ。

文:紙本櫻士

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事務局

株式会社 プレスト

 

〒573-0066

大阪府枚方市伊加賀西町57-4

mail:ohshi@shikon.meiji.ac.jp

概要

食と文化で、人を幸せにする会社

株式会社 プレスト

 

代表 紙本櫻士

ライター、コピーライター、アントレプレナー、小説家。日経新聞広告、エッセイ。

共同通信エッセイ。『川の水』(河川環境財団)『あまから手帳』(クリエテ関西)。『サライ』(小学館)などで執筆。交野新聞『僕の神さま』連載中。

SF小説連載『タイムハッカー』(A・ha)『日経新聞月間広告賞』『ノベルなび大賞 小林泰三賞』(『おっぱい』小説)  『僕の神様』(小説 交野新聞連載中)

川はともだち:代表 

薪能と音楽を楽しむ月見『千人の月見の宴』では、7000人を動員しました。

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