中国地方

米も水も輝いている、中国地方。特A受賞米は3品種ですが、目が離せない米どころです。

さて、どこから食べようか。

 

【2019年 中国地方の特A受賞米】

 

コシヒカリ 兵庫(県北)

きぬむすめ 兵庫(県南) 岡山 山口(県西) 鳥取

つや姫   島根


山口

「ぶち旨い新米が、長州にあるっちゃ!」

コシヒカリ8月中旬、きぬむすめ10月中旬。

 

 桜前線は、ソメイヨシノの開花を基準にしている。

ソメイヨシノは、江戸の園芸品種でクローンであることが分かっている。

一斉に咲くし、一斉に散るのは、同じクローン桜だからである。

米前線の場合、多様な品種があって、ソメイヨシノのような基準となる品種はない。

早場米に選ばれるコシヒカリが、ソメイヨシノに近いようにも思うが、桜の木と違って植える時期を決めることができる。

実る時期を操作できるのだ。

 

とはいえ、暖かい南と寒い北がある日本では、米が南から育っていく。南は、石垣島とか

米は桜のように、短期間に開花するのではなくて、夏から晩秋にかけてジワジワ実りながら北上する。

僕たちは、ゆっくり米前線を追いかけながら、新米を味わえばいい。

食いしん坊には花より団子なのだ。

 

山口県のコシヒカリは、8月中旬である。

お盆の時期だったりするわけで、農家さんはなにかと忙しい時期ではないだろうか。

親戚が集まって、穫れた新米をみんなでいただく風景もありそうだ。

 

特Aを受賞した『きぬむすめ』は、10月中旬。

山口では、新米の時期が2回あってお得なのかもしれない。

 

錦川に取材に行ったことがある。

下流になる錦帯橋からさかのぼる川エッセイの仕事だった。

岩国市の錦川に架けられた木造のアーチ型の橋が、錦帯橋だ。上から川を覗くと、下流にもかかわらず水が輝いていて、ゴミひとつ落ちていないのに驚いたのを覚えている。

 

上流に行くと、川にゴミがない。都会の川でよく見かけるコンビニ袋とか、空き缶とかペットボトルがないのだ。

ないはずで、上流に自販機やコンビニがないのだった。

ゴミがでる原因がないのだ。とその時、僕は気づいた。

看板のない酒屋があったり…。

不便なんだけどね。のどが渇いても、川の水しかないし。

 

その日、上流で一泊したホテルのキノコのお粥が、旨かったのを覚えている(ここに書くほど!)。

米とキノコと塩で味付けたシンプルなお粥だったと思う。

10月頃だから、ことによると『きぬむすめ』の新米だったのかもしれない。

水と米が旨いのは、それだけで宝だと思う。

山口県の新米は、スゴイのだ。

 

文:紙本櫻士

 

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広島

「広島米は、ばり旨いけぇ食べてみんさい」

コシヒカリは8月下旬。あきろまんは、9月上旬。

 

 広島は、多様な品種を育てている。

『コシヒカリ』『あきろまん』『ヒノヒカリ』『ひとめぼれ』『ミルキーウェイ』などなど、である。

『カープ応援米』なんてのもある。

米の生産量ランキングは、34位(29年)で多くはないけど、多様な米作りが特徴なのかも。

近場で、新米のハシゴができそうだ。

ちなみに、生産量1位は新潟県である。

 

広島の人は、広島焼きやラーメンなど、ご飯以外にも食べるものが多いのだろう。

ご飯と味噌汁があればいい、と言うわけではなさそうだ。

 

尾道に取材に行った時、商店街でバケツで生きたシャコを売っているのを見かけた。

僕が動いているシャコを眺めていると、

学校帰りと思われる女子高生が、

「これください」

と、バケツシャコを注文した。

「これ、晩ごはんに?」と、僕が尋ねると

「オヤツです」と、彼女は答えた。

 

僕は、シャコをオヤツに食べる習慣がない。

彼女が標準的尾道の女子高生なのかは分からないけど、彼女にとってシャコはオヤツなのだ。

活きのいいシャコを茹で、さっと塩など振って食べると、確かに旨そうだ。

 

僕は、キリッとした新米シャリに茹でたてのシャコを乗せていただきたい。

ご飯好きなので、あえて新米。

すし飯だとさらによい。

旨い日本酒も欲しい。

広島の新米は、8月である。

 

文:紙本櫻士

 

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島根

「島根の新米、まげに、旨いでな!!」

コシヒカリ、特A受賞米つや姫は9月上旬。きぬむすめ10月上旬。

 

昭和な漫画に『美味しんぼ』という作品がある。

究極のメニューを追求する物語で、たぶん魯山人がモデルだと思える海原雄山と、彼の息子である山岡士郎が対決する。

二人は訳あって仲が悪い。

『美味しんぼ』は、日本のグルメ文化に大きな影響を与えた漫画だと思う。今見ても面白いのだ。

 

山岡「飯と味噌汁は、日本料理の基本だ。そんな簡単なことができないだと」

海原「簡単なこととぬかしたな。今の一言でお前が、本当の旨い飯と味噌汁が作れぬことがはっきりしたわ」

山岡「飯を上手に炊くことが難しいことは承知してるよ。手の混んだ料理に比べて簡単だと言ってるだけだ!」

海原「語れば語るほど、自らの愚かさをさらけ出しおるわ。手の混んだ料理より簡単だと!」

などと言い争って、美味しいご飯と味噌汁対決になる。さすが少年誌、対決は基本なのだ。

まぁ、親子喧嘩である。

 

山岡「松江から取り寄せた宍道湖のシジミだ。宍道湖は日本海に面した湖で、海水と淡水が混ざりあったその独特の水がシジミに最良の生活環境を与えている。日本のシジミの70パーセントはここで取れたものだ」

と、究極の味噌汁は、宍道湖のシジミ汁で勝負する。

海原雄山も味噌汁はシジミを選ぶ。

 

結局、この勝負は山岡が負ける。

海原雄山の、米の粒を揃える手間をかけた飯が勝ったのだ。山岡はこのおもてなしの手間に負けてしまう。

実際、粒を揃えると米は旨くなる。

舌触りも歯ごたえも素晴らしいのだ。

シジミ汁も同じで、シジミも粒を揃えると旨い。

 

さすがにそんな手間かけられないけど、島根の新米で宍道湖のシジミ汁を、ぜひ、食べたい。

シンプルに旨いと思う。

小幸福である。

 

島根のコシヒカリ、つや姫は9月上旬。

 

文:紙本櫻士

 

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岡山

「晴れの国の米は、でーれー旨いじゃろ」

早場米コシヒカリ、あきたこまちは、8月中旬。ヒノヒカリ9月中旬。アケボノ10月中旬。

 

他にも朝日、キヌヒカリ、きぬむすめ、などを育てており、それぞれ収穫時期が違う。

8月から10月まで、新米が収穫できる。

岡山県だけで、米前線ができそうな勢いである。

 

でも、なぜか米の消費量は、全国で45位だ。

岡山は米をガッツリ食べるイメージなのに(僕のです)、意外と食べていない。同じく米どころの宮城が、43位なのと似ている。

 

岡山の米は旨い。

水も旨いから、米も旨いのだ。

ところが米をあまり食べない。と、統計が語っている。

岡山の人たちは、何を食べているのだろうか?

 

例えば、岡山はラーメンが有名だ。

ラーメンにトンカツをのせたトンカツラーメン、イノシシの肉をのせた新見ラーメン、ままかりの出汁を使ったままかりラーメンなど、ラーメン一つとっても群雄割拠である。

岡山は「いろいろ食べたい」県なのかもしれない。

米の品種の多さも、いろいろ食べたいからかなぁ。

 

学生時代、サークルの後輩に岡山出身の女の子がいた。

彼女の実家は、神社である。

お父様は、神社を守るために働きに出ている。神社は、寺と違ってお墓という収入源がないから、働く神主さんが多いのだ。

大学の先生とか、教師や公務員を兼業している方をよく見かける。神社経営は大変なのだと思う。

兼業というのも変だけど…。

彼らは働きながら、神社を守っておられる。

 

「うちは、悪いことが起こるのが分かるんじゃ。神様が教えてくれるんよ」

と、彼女は言っていたのを覚えている。

「ばぁちゃんも同じなんじゃ」とも言っていた。

シャーマン系なのか?

収穫を祝うのが神社だったりするから、ことによると飢饉などが分かる能力だったのかもしれない。

 

最近、彼女と話すことがあって、神通力について訊いてみた。

「実家から離れて、今はなくなってしまったようなんじゃ」

能力が薄れているらしい。

 

不思議な話だけど、そんなこともあるのかな。と、僕は思っている。

岡山には、神域がひっそりと残っていそう。

『千と千尋の神隠し』が、岡山ならありそうだ。

 

米前線が県内でも楽しめる、米の品種が多様な岡山。

早場米コシヒカリ、あきたこまちは8月中旬である。

 

文:紙本櫻士

 

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鳥取

「うまいがん!! 鳥取の新米は、ごっつぉじゃ」

ひとめぼれ8月下旬。コシヒカリ9月上旬。きぬむすめ9月中旬。

 

早場米は、コシヒカリが人気だけど、鳥取ではひとめぼれが早い。

寒さに強い宮城県出身の米である。

日本海側は、寒さに強くないといけないのだ。

盆が終わったら、まずはひとめぼれで、新米をいただくのが鳥取である。

 

大阪の摂津富田に『KUSHITARO』という焼き鳥が旨い居酒屋があった。

親子三代が通うくらい30年ほど続いたお店だ。

ご主人が、こだわって調理した鳥の燻製は絶品で、キリッと冷えたビールで焼き鳥をいただくと、もはや通わざるを得ない店であった。

 

その『KUSHITARO』が店を閉め、鳥取県川原町の古民家に移住し、

古民家カフェ『えばこ gohan』を始めた。

大阪から通うのは、ちょっと遠くなってしまった。

とはいえ、ネットは便利である。

僕が、米前線の話をえばこさんにすると、

「おすすめは、きぬむすめかなぁ」

と、えばこさんが鳥取の米事情について教えてくれた。

「鳥取は、ええ水があるから、お米がすごいのよ」

 

近頃は、仲の良い農家さんに、自慢の収穫を分けてもらっているという。

それならと、新米が収穫されたら『月見むすび』を、シンプルに新米と塩で作って欲しいとお願いしたら、快諾してくれた。

新米をいただく『月見弁当』『月見むすび』を、米前線の北上とともに全国で楽しめたら、という企画である。

 

「鳥取は、米前線にもってこいだと思うよ。米、酒、水、神社の観光。自然が豊かだと、飯が旨い!」

地元ではネットで「鳥取旨いよ」を発信しているけど「なかなか難しい」と、えばこさんは言う。

ならば米前線を使って、発信のお手伝いができればよい。

米前線で旨い米を買えれば僕たちは便利だし、農家さんたちも売り場が増えるだろう。

便利なシステム作る必要があるけどね。ここは大変そうだ。

 

そういえば、鳥取空港で卵かけご飯で有名な『大江の郷自然牧場』が店を出した聞いた。

飛行場で、絶品の卵かけご飯をわっといただけるのは、小幸福である。

できれば、新米と新鮮な卵でいただく『月見ごはん』が食べたい。

秋の収穫祭、新米でいただく小幸福は全国にあるのだ。

 

文:紙本櫻士

 

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『マンガな米前線』

カレーに旨い米が、鳥取に。

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えばこGOHAN
営業日:水木金土
営業時間:10:00〜16:00
住所:鳥取市河原町牛戸3-2 (西郷保育園ちかく)
TEL:0858-71-0073

 

えばこgohanを紹介したブログ。

『とっとりずむ』

https://tottorizumu.com/ebakogohan/

 

イラスト・ブログ

 

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事務局

株式会社 プレスト

 

〒573-0066

大阪府枚方市伊加賀西町57-4

mail:ohshi@shikon.meiji.ac.jp

概要

食と文化で、人を幸せにする会社

株式会社 プレスト

 

代表 紙本櫻士

ライター、コピーライター、アントレプレナー、小説家。日経新聞広告、エッセイ。

共同通信エッセイ。『川の水』(河川環境財団)『あまから手帳』(クリエテ関西)。『サライ』(小学館)などで執筆。交野新聞『僕の神さま』連載中。

SF小説連載『タイムハッカー』(A・ha)『日経新聞月間広告賞』『ノベルなび大賞 小林泰三賞』(『おっぱい』小説)  『僕の神様』(小説 交野新聞連載中)

川はともだち:代表 

薪能と音楽を楽しむ月見『千人の月見の宴』では、7000人を動員しました。

ブログ『起業でごはん!!』